「ジムニーの中古車選び」について
今までの経験やお客様の声などを含めて軽くお話しします。
最近は、みなさんネットで検索して
中古車購入されるケースがとても多いようです。
できることなら、コンデションの良い個体を手に入れたいですよね!
特に、個人売買で購入される場合などは
金額含めて「これを逃したら次はないかも💦」などと焦る気持ちや、欲しい気持ちが先走りになりますので、気持ちをニュートラルにして検討していただきたいです。ジムニーの中古車は、この1台だけじゃないのでね~
後でお話ししますが、中には後々苦労するジムニーも紛れ込んでいます。。。
また、購入するジムニーをメインカーとして使うのか、セカンドまたはサードカー的に使うのか、それとも山遊び専用としてなのかでは、おのずと選ぶ価格帯や基準が変わってくると思います。使用目的をしっかりしておくことも、中古車選びの大切なポイントです!
購入希望の現車が見られると一番いいですよね!
基本的なお話として、選ぶ年式などによりますが購入後の修理、リペアやメンテナンスが必要になる事をイメージしておいてください。年式が古かったり、走行距離が伸びていたり、安価な個体の場合、「後々修理やメンテなどお金がかかるよな~」と言うことです。結婚のスピーチじゃないですが。。。納車がゴールじゃなくて、スタートです!
まず、全体を観察して
・外装と内装のやれ具合のバランスはとれているか?
ボディーは綺麗なのに、車内が傷んでいる(掃除されてるとかではなく、ハンドルやシフト回り、ダッシュボードなど痛みや目立つ傷などないかをチェックです)。少ないケースですが、ボディーのお手入れされて無いのに車内が綺麗な車両もあります。外装と内装はオーナーの愛情がわかりやすく出やすいです。何が言いたいかと言いますと、お手入れされていない車両は、おのずとメカ的なメンテナンスもあまりしていなかった可能性が大きいからです。
ジムニーの場合、ボディーの劣化やサビは後々リペアできますので、まずは、大きな事故などしていないかなど確認を。フレームにダメージや明らかに大きなサビや穴あきが無いかをチェック。続いてフロント及びリヤのデフホーシィングのチェックをしてください。フェンダー上部からの左右それぞれのタイヤの出方に大きな差が無いかを確認ください。
そのまま下廻りを覗いて、オイル漏れなどの確認もお忘れなく。
修復歴車の場合、綺麗に確実に修理されていればそれほど神経質にならなくても良いと思います。ボディーのリペアは、オーナーさんのタイミングでリペアついでに同色や色替えのオールペン(全塗装)されるケースも多いです。
・ライト類の確認を
車検では灯火類の規定がとてもシビアです。
社外のヘッドライトやテールランプにカスタムされてる場合は、付いてる部品によって、車検にパスできないケースがあります。必ず純正部品があるかどうかを確認ください。(※遠方から購入する場合、購入先の地域では車検OKでも、こちらでの車検はダメな場合もありますので。。。)もし車検に対応しなくて純正部品が無いようでしたら、対応する部品を別途用意する必要があります。簡単に外せる場合は良いですが、フォグランプ、バックランプの装着個数にも決りがありますので、注意が必要です。
また、イグニションON~アイドリング時に‘‘メーター内のチェックランプの点灯‘‘が無いかも、よく見ておいてください。診断機でリセットできるレベルでしたら良いですが、センサーなどの異常の場合は思いのほか修理費用が掛かる場合があります。なにより点灯していますと車検にパスできません。
・エンジンルームを確認
ボンネットフードを開けて、しっかりエンジン回りをチェックです。アースケーブルや社外のエアクリーナー、オイルキャッチタンクなど社外のパーツが付いてる場合は、綺麗に装着されているか?ちゃんとそのパーツが機能してるか?など確認ください。もし機能していなかったりしたら純正部品に戻せるかなども確認しておいた方が安心です。エンジンからのオイル漏れは大丈夫ですか?4ストエンジンでしたら、エンジンオイルフィラーキャップを外して、ライトを当てながらエンジン内部の汚れ具合を確認。オイル焼けで茶色なら及第点。金属が見えないくらい黒い状態なら要検討です。(エンジン内部の確認では、現在の走行距離は無視してください。)全体のコンディションやボディー及び内装のバランスと価格を考量して、タービン&エンジン載せ替え費用を組み込めるかで決めてください。
盲点になるのが、社外のマフラーが付いている場合です。音量含めてその年式で車検対応できるタイプかも確認できたら安心です。マフラーのタイプによって車検時等に、対応するマフラーが別途必要になる事があります。(※~JA11・JA22までは比較的緩いですが、JB23から年式によってシビアになります。)
試乗できないようでしたら、エンジン始動してマフラーからの(水蒸気でない)白煙吹いてないかチェックもお忘れなく!(常に白煙吹いてる個体は論外ですが、アイドリングではマフラーからの白煙目立たないが、走行すると白煙出てくる個体も避けるべきです!)
考え方と言うかイレギュラーな方法になりますが、‘‘マフラーから白煙吹いているだけで、ボディーや内装も綺麗だし、走行距離も妥当、駆動系など他の部位は問題なさそうで安価な個体‘‘であれば、リビルトタービン&エンジンに換装する費用を組み込んだトータル金額で検討するのも一つの手です。高品質なメーカーのリビルトであれば、リフレッシュされてほぼ新品クオリティーになります。もちろん定期的なオイルメンテは必要ですが、それはどの中古車も同じはず。なにより乗っていて安心感が違うのと長く楽しめるメリットがあります。
バッテリーやブレーキ関係、各フィルター類などの消耗品関係は、純正や社外部品で対応できますからそれほど気にしなくて大丈夫です。ボディーパーツなどもSJ30、JA71にJA11や12,22系が使えたりします。
・駆動系の確認
駆動デバイスの有無(デフロックやLSD)やギヤダウンの有無、実際操作して各レンジにシフトできるかトランスファーとMTミッション、ATをチェックしてください。不具合があれば修理して納車していただけるのか?費用など含めて確認を。現状での納車でしたら、中古、リビルト等への載せ替えの費用のイメージが必要です。使用する目的にもよりますが、極端なダウンギヤに変更されている個体は、スピードが出ずらくなり通常走行で支障をきたす場合もあります。燃費はもちろん悪い方向へ行きます。
・メンテナス状況や車検の有無の確認
個人でしたら(複数オーナー車でしたら難しいかもしれませんが)、メンテナンスをマメにしていたか、していないかなど確認できると思いますし、販売店でしたら点検記録簿で確認できると思います。記録簿が無い場合などは、現車での確認になります。※点検記録簿は、車検、点検時に発行される整備内容を記した記録簿です。
「走行距離が少ない=程度が良い」 とはならないのが中古車です。もちろん重要な目安にはなりますが、もっと大切なのは、「どれだけしっかりメンテされてたか?」がポイントです!例えば、オイル交換は車検の時くらいで、あまりオイルメンテしていない4万キロの個体と、3000キロ毎にオイルメンテされた7万キロの個体だったら? あきらかに後者の方が、実際のコンディションは調子良かったりしますから。
・カスタムされてるカッコいいビジュアルで選ぶと危険です!
イケてる外観に購買意欲が高まりますよね~
綺麗なルックス&可愛い女性だったり、はたまたイケメンともなると~
自然と目で追ってしまう訳で笑
リフトアップや外装のカスタムされているジムニーの場合、リーフジムニーでしたら構造変更取得済みの確認。構造変更されていない場合、次回車検時等に構造変更検査が必要になります。JA12、JA22、JB23、JB64系のコイル式サスペンションによるリフトアップであれば基本的に構造変更等必要なく大丈夫です。ただし、足回りのリフトアップに加えボディーのリフトアップされている場合は、次回の車検時等に構造変更検査対象になります。また、ワイドトレッドスペーサーや、装着されているタイヤサイズ&ホイールでは安心して公道を走れないケースがあります。(車検が通らないサイズを装着してるケースも多いからです。)純正サイズか安心して走れるタイヤ&ホイールサイズのセットの有無、お住いの地域によりスタッドレスタイヤセットの確認。なければ、ホイールタイヤのセットがそれぞれ必要になります。
※オーバーフェンダー装着車&大径タイヤ装着車は特に注意が必要です。この手の個体は、頑固に使っていた可能性もありますので、しっかりチェック&試乗をお勧めします!競技用で登録せずナンバーレスのジムニーでしたら、公道を走りませんからある意味なにやってもOKですが、そうでなければ、後々いろんな意味でお金がかかる可能性があります。構造変更してあるからと言って、オーバーフェンダーや大径のはみ出しタイヤがOKなはずないですから!厳しいようですが、オーバーフェンダー(幅が9ミリ以上のタイプ)取付けただけでは‘‘違法改造車(不正改造)‘‘になってしまいまして、公道を運転すると道路交通法であなたが罰則の対象になります。
※にわかカスタムされたジムニーも要注意です!(カスタムの度合いにもよりますが)安心して公道走れるように、ショップさんでしっかりコンプリートされた車両でしたら安心だと思いますが、少し整備スキルのある方や個人レベルで施工したカスタムと言うか、いじくり回したジムニーがとても多いです。悪く言うわけではないですが、彼らは違法改造とか車検の事などあまり考えずにパーツを取り付けますから厄介です(>_<) そのジムニーを手放す際に、カスタムを戻してくれればよいのですが、個人間の売買ですとまずそんなことはしませんから、次に買ったあなたが苦労する事になってしまいます。ここは慎重に確認・検討してください。
もっと言うと、販売店で引き取ってもらえないからネット使って販売するわけで。。。
「その魅惑的に映るジムニー♪。。。 その状態で車検受けることできますか?」
イケてる見た目に騙されないで笑
また、購入後に面倒を見てくれそうなショップや整備工場に当たりをつけておくのも大切です。(合法カスタムのジムニーでも、ディーラー含めて一般のお店では入庫をお断りされることが多いようです。誤解を恐れず言いますと違法改造(不正改造)車の場合は、タカノモータースでも申し訳ないですが、ご入庫をお断りさせて頂いております。)
・古めのビンテージジムニーは?
何台かジムニーを乗り続けてきた方や、ジムニーマニアの方、整備できるスキルのない方以外にはお勧めしません。一番心配なのは「部品が無い」こと。ジムニー仲間のネットワークがある方やジムニーに強いショップさんが近隣にあればまだ心強いですが、新品部品が無い場合、中古部品が見つからなければ、乗り続けることが難しくなります。
(★JA11系、JA12/22系の純正部品の廃盤が進んでいます。またJB23系の初期モデルも一部部品が無くなってきています。R4年・11月現在)
・状況が許せば試乗してみて!
最後に、試乗できる状況でしたら是非試乗してください。初めてジムニーに乗る方はわかりずらいと思いますので、もし状況が許せば、ジムニー乗りの方と同行されると安心です。普通にまっすぐ走るか?乗り心地はどうか?左右のコーナーのハンドルの差は無いか?ハンドルブルブルしてないか?エンジンや駆動系の異音は?加速はスムーズか?ブレーキングは?2WDから4WDの4H&4Lにしっかりシフトできるか?マフラーから(水蒸気ではない)白煙吐いていないか?などなど。。。
何か違和感を感じたら要注意です。(修理で対応できる部位は良いとして、)人の感覚って優れていて、案外高い確率で当たっていたりしますので。。。その時に、ジムニーに詳しい方が一緒にいれば、異常か普通の事なのかの確認の精度が上がるわけです。
・試乗や現車確認してみて不具合部位などある場合は
個人からの購入の場合も販売店購入の場合も、気になる部位や不具合部位などがある場合、修理してからの納車か、修理なしの現状販売なのか、また費用の有無や修理した場合の費用などを確認しておいた方が良いです。車検整備後の納車や点検整備後の納車でしたら、比較的安心かと思います。
例えば、エンジンオイル、駆動系のギヤオイルなど油脂類の交換の有無や、フィルター類やバッテリー、ブレーキ系など消耗品の交換の有無の確認されると安心です。販売価格などの関係で油脂類や消耗品の交換などされていなければ、納車後のメンテスケジュールに組み込めばよいですからね。
良心的な販売店頭等では、コンディションの現状や現在抱えてる劣化部位、今後発生しそうな不具合部位や消耗部品などの案内や説明があると思います。
・少し特殊なので
一般の車両に比べた時、ジムニーってラダーフレームにボディーが乗っていて、FRベースのパートタイム4WD機構を使って、前後のデフを駆動するシステム。本格的な4WDでちょっと特殊な車両です。私どもはあまり感じたことないですが、同業者さんから「ジムニーって整備しづらくて💦」「タカノさん、この部品どうやって取り付けるの?」など。。。ご相談いただくこともありまして笑
売る側の販売店がジムニーの扱いになれてなかったり、ジムニーにあまり詳しくないこともあると思います。お客様が言っていましたが、「納車後のアフターは購入店で診てくれなくて。。。泣」メインのお客様が、一見さんが多い中古車販売店や販売メインのお店では、販売してご納車したら完結みたいなお店もあるかもしれません。中古車の場合、継続的なメンテナンスが必須になりますから、アフターの事も考えてお店選びされると安心ですよね。それが難しい時は、くどいようですが、主治医的な面倒見てくれるお店や整備工場を見つけておくのが大切です!
・身もふたもないのですが。。。
みなさんご存じのように、(ジムニーに限りませんが)この状況下で、中古車の価格が高騰していますよね。中古車の玉数も少ないので少し前なら、「もう廃車じゃんね!」みたいな中古車にも金額が付けられて販売されていますし。。。
中古車は、年式やコンデション、走行距離などで相場がありますよね。もう皆さんお分かりのとおり、‘‘お安い本体価格の車両はそれなり‘‘なんですよ。逆に相場より高めな個体は、しっかり手が入ってることが多いです。ジムニーの場合は、安い個体を手に入れてコツコツ修理しながらカスタムしたりする趣味的な楽しみもありますが、購入するジムニーをメインカーとして使用する場合は、そうも言ってられません!ご予算上がっても、‘‘なるべく程度の良い個体を選ぶのが良い‘‘です。なぜなら、もともとのコンデションが良かったり、修理や部品交換、リペアなどされた整備コストが販売価格に入っているからです。長い目で見ればローコストで安心だとも言えます。
・お客様の中には。。。
ご自身で探してご納車されたジムニーを、点検・チェックや油脂類交換などのメンテナンに当社にご入庫いただくこともあります。こんな感じでタカノモータースを使っていただくのも良いですね。合法なカスタムジムニーでしたら、タカノモータースはいつでもウェルカムですので!
納車されたジムニーを眺めてると
ワクワクします♪
自然とニヤニヤしてしまうような
楽しい時間です(*^^)v
いざ乗り始めたら。。
乗り心地が固くて跳ねすぎ。。。
ひっくり返りそうでカーブ曲がるの怖すぎ。。。。
カスタムが凄くて車検や点検時に苦労したり。。。。
修理したりノーマルに戻すのにも結構な費用がかかったり。。。。。
いざ修理しようとしたら、部品が廃盤で無かったり。。。。。
こんな状態だと楽しいジムニーライフが送れないと思うんです
描いていたイメージと違ったりして(-_-;)
結局、手放すことになったり~
悲しいですよね
実際に、このような体験したお客様が一定数いらっしゃいます。
あなたには、そんな目に合ってほしくないですし、
もっと言うとジムニーを嫌いにならないで欲しいと思うのです。
軽くなんて申し上げたのに
凄い長文になってしまいましてすみません笑
お付き合いいただいて感謝です!